働き方改革
心理的安全性が高い職場とは
Google社は「心理的安全性が高まるとチームのパフォーマンスが向上する」という結果を発表しました。
とは言え、「心理的安全性が高い職場」とはどのような状況なのでしょうか?
一言で説明すれば、「職場やチームの中で、アイデアなどを発言・行動しやすい環境であること」を言います。
事実、険悪な空気の中で、「自由にアイデアを出そうよ!」と促されたとしても発言しにくいですよね。
おそらく私であれば、言い淀んでしまいそうです。
では、「心理的安全性が高い職場」は「仲よし」や「友達」と同等なのでしょうか?
今回は、「心理的安全性が高い職場」について特集します!
心理的安全性の高いチーム、5つの柱
Googleは、調査においてチームの生産性アップの大きな要因となる「5つの柱」を提示しました。
影響力が高い順に示していきます。
【Google社の示す心理的安全性の高いチーム5つの柱】
<1.心理的安全性>
チーム内で対人関係でリスクのある行動をしても、非難されたり罰せられたりせず安心できるか
<2.相互信頼>
チームメンバー間で「期限内に質の高い仕事を仕上げてくれる」と互いに信じられるか。
<3.構造と明確さ>
目標を達成するための効果的なプロセスがあると信じられるか。
<4.仕事の意味>
チームの仕事に自分にとっての目的意識を感じられるか。
<5.インパクト>
チームの仕事を通して組織の目的を実現するために、貢献できていると感じられているか。
従業員エンゲージメントを仕組み化する スキルマネジメント:中塚敏明著
ポジティブ環境には理由がある
1.心理的安全性
チームのなかで対人関係にリスクある行動をしても、非難されたり罰せられたりしないと安心できるか。
2.相互信頼
チームのメンバーはお互いに「期限内に質の高い仕事を仕上げてくれる」と信じられるか。
3.構造と明確さ
目標を達成するために、効果的なプロセスがあると信じられるか。
4.仕事の意味
チームの仕事は自分にとっても目的意識を感じられるか。
5.インパクト
チームの仕事が組織の目的を実現するために、貢献できていることを感じられているか。
ポジティブ環境には、理由がある
Googleが調査を基に作成した「心理的安全性の高いチーム5つの柱」には、『チームのメンバーはお互いに「期限内に質の高い仕事を仕上げてくれる」と信じられるか』など、胸に留めておきたい言葉もありましたよね。
経営者の立場からすれば、安心して仕事を任せられるのは「確実に締め切りを守れる人」でしょう。
そうは言っても、「心理的安全性が高い職場」にするにはどうすれば良いのでしょうか?
そこで、「心理的安全性が高い職場にするための3つの柱」をご紹介します。
<心理的安全性が高い職場にするための3つの柱>
《その1》特定の人物ばかりが発言する状況になっていないか確認する。
《その2》本音で話せるようコミュニケーションが取れる機会を作る。
《その3》失敗よりも成功を目指す。
納得のいく内容ばかりですよね。
個人的な意見を述べると「失敗よりも成功を目指す」はすごく大事なことだなと思いました。
人の揚げ足ばかり取るより、「失敗の原因を究明して、成功へと導く」ほうが、チームのパフォーマンスは向上するはずですよね。意識していきたい大切なポイントですね。
心理的安全性(サイコロジカルセーフティ)とは
心理的安全性を英語では「サイコロジカルセーフティ(psychological safety)」と言います。
元々は心理学用語で、1999年に組織行動学の権威であるエイミー・エドモンドソン教授の論文から生まれた言葉です。
「職場でどんな発言や指摘をしても拒絶されたり、イヤな空気になったりしないこと」は重要です。
雑談したり、上司とも話しやすい雰囲気の職場であれば、「情報交換」もしやすいでしょう。また、「何を報告しても非難されない」「自分の意見を受け入れてもらえる」などの認識や安心感があれば、万一何らかの重大事があったとしても報告しやすいですよね。
・報告連絡相談が、グンと増える。
・チーム内で自由なアイデアが、発言しやすくなる。
ポンポンと意見が出て、「成功に向かって、皆が同じ視点から走れる」場であるなら、反対の意見も出しやすくなりますよね。見方の偏りを防ぐには、「反対意見の存在」も大切ですからね。
どんな影響?部下の心理的安全性が高い場合
ところで、部下の心理的安全性が高い場合にはどのような影響があるでしょうか?
アンケートの結果からは以下の傾向が見受けられました。
・離職率が下がり、定着率が上がる
・部下のミスが減る
・メンバー同士の情報交換が増え、メンバーがスキルアップできる組織になる
安心できる環境が整っていれば、「ずっとこの会社にいたい」と思う人も増えるでしょう。
定着率を上げるためにも、心理的安全性は高めておきたいですね。
信頼を得るにはアサーティブ(自他尊重)コミュニケーションを
「アサーティブコミュニケーション」を知っていますか?
アサーティブコミュニケーションとは、「相手の意見を尊重しながら、誠実に自分の意見を主張するコミュニケーションをとること」を言います。
例えば、丁寧な言葉遣いを意識するだけでも、相手を傷つけるような話し方を避けられます。
【アサーティブな話し方の例】
「ご助力いただけますと私幸いです」
【悪い話し方の例】
「ねえ、ちょっと協力しなさいよ」
アサーティブな話し方のほうが圧がないので「協力しても良いかな?」と感じますよね。
同じ内容でも悪い例の場合は、なんだか上から目線に感じますよね。「社内にこうした物言いをする人がいる」としたら、「できるだけ頼まれ事は引き受けたくない」と思う人も少なくないでしょう。
『人は話し方が9割』というようなタイトルの本もありますが、実際に「同じ内容でも話し方次第で随分イメージが変わる」ものです。
アサーティブコミュニケーションのコツ
コツとしては、「私がこう感じているから、お願いしたいです」や「私はこう思います」のように命令形ではなく、「自分の意見(私)を主語として会話すること」が大切です。
「自分の意見(私)」を主語に据えて、心理的安全性の高いトークを始めましょう。
居心地のいい会社=心理的安全性の高い職場を目指して、優しい想いが伝えられるよう「アサーティブな話し方」を心がけたいものですね。
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