スキルマネジメントとは?経営視点での定義と要点

スキルマネジメントとは、従業員一人ひとりの能力をシステムとして継続的に開発・管理する仕組みのことです。単発の研修や社内イベントとは異なり、自社の現状把握にもとづいた「シンプルで再現性のある施策」を組み合わせることで、従業員の成長と定着を同時に実現することを目指します。

特に労働集約型のビジネスモデルでは、利益=売上(単金×人数)-費用(人件費+育成費+採用費)という構造上、従業員のスキル向上が直接業績に直結します。下表は、目的が不明確な施策とスキルマネジメントを比較したものです。

施策の種類 主な特徴 課題・リスク
一過性の研修・社内イベント 短期間で実施しやすい 育成費・人件費を圧迫し、効果が持続しにくい
目的不明確な1on1・打ち合わせ 対話の機会は増える マネジメント工数が増加し、現場が疲弊しやすい
スキルマネジメント(システム化) 社会人基礎力を軸に継続開発 自社現状の把握と設計が前提として必要

※こちらの記事は、書籍「従業員エンゲージメントを仕組み化するスキルマネジメント」
の内容をもとに、構成しています。

前回のお話では
「まずは20代の成長環境を構築!成長環境 著書スキルマネジメントPart.10」
について、お伝えしました。

今回は「経営の観点から語る、成功するスキルマネジメント!著書スキルマネジメントPart.11」についてお話ししましょう!

経営の観点から語る「成功する!スキルマネジメント」とは

本章からは、能力開発を「システム化」して行う、スキルマネジメントとは
どのようなものであるか?

という事を、お話しましょう。
まずは「経営という視点から見た、人材育成上の課題」について
お話していきますね。

人材育成は、会社の命題
永遠のメインテーマです。

企業の業績や、利益の向上を阻む大きな要因の中に
「人と組織に関する課題」が、あげられます。

とくに当社のような「労働集約型のIT派遣・SES事業を行う企業」ですと
利益を最大化するためには

従業員の成長と定着が、重要なカギとなるでしょう。

従業員が自分から「成長しよう、もっと上に行こう!」という思いがなければ
会社の成長も、あり得ませんよね。
ではどうやって、新人の能力を開発して

会社全体の力へと変えていくのか?
今回は、そんなお話です!



企業の事業形態にかかわらず、会社の利益とは
「売上から費用(経費) を差し引いた、残りの金額」のこと。

当社のような派遣業の場合は
従業員1人当たりの派遣費(単金)×稼働人数を掛けた金額が、「売上」となります。

人件費、人材採用、育成費などが、「主な費用(経費)」になるのでした。

このようなビジネスモデルで順調に利益を増やすには
売り上げから「費用」を引いた金額が、プラスとなるような経営を
心がけないと、いけませんね。

このプラス部分が、黒字となりますから。

社員の能力開発!さまざまな手法でやってみた

売り上げを黒字にするための、基本のビジネスモデルはこちら

・利益=売上-費用
・売上=単金×人数
・費用=人件費+育成費+採用費 +etc

会社とは「ひとり一人の働き度合い、能力」が売上に直結してくるもの。
ですから、従業員の成長と定着が、非常に重要な意味をもちます。

リアルに他の会社でも、カリスマ営業マンが数人いて
その人たちが会社の売り上げを支えてる、っていう事はありますよね。

人の才能を伸ばす事は、会社の可能性を伸ばすこと

当社では、「社員の能力開発と定着」を推進するため
「スキルマネジメントの開発と導入」など、さまざまな手法を試みてきました。

いろいろと試みた結果
一過性の研修や、従業員エンゲージメントをアップさせるための社内イベント

目的が不明確な打ち合わせや、1on1ミーティングなど

マネジメント業務の、工数を増やすだけの施策をやっていたようなのです。
その結果、育成費や人件費を圧迫するうえに

リアルに動いた従業員が、疲れてしまったのでした。
「従業員全体の成長と、定着」させるための施策だったのですが

結局、逆効果に終わってしまったのです。
前回の特集でも、触れましたが

従業員満足度を可視化する、エンゲイジメント・サーベイにより
「会社の現在地を見える化」としても、課題に対して適切な施策を打たないことには
人も組織も、変わりようがない。

という現実が、浮き彫りになったのでした。

見過ごされがちなシーンに、真実の課題が!

課題に対して、適切な施策を打たねば、社員のスキルアップはできない。
けれど、その事実は見過ごされがちです。

きっと今でも当社と同様に、社員のためを想い
改善策を進めたものの

「経費ばかりかかって、改善されなかった」という企業が
どこかに何千、何万と存在していると思うのです。

もちろん、焦燥感に駆られて「何でも良いから、何か手を打たなければ!」と
危機感を抱くことは、決して悪いことではありませんよね。

危機感があるからこそ、ピンチを回避できるわけですから

しかし勢いだけで、コンサルティングを依頼したり、外部講師を招いたとしても
組織が目指すゴールには、きっと辿り着けないでしょう。

本気で、組織としてのゴールを目指したいのなら
まずは「自社の現状を把握すること」が、大事かなと思います。

利益の最大化を実現させるためには、その上で自分の会社にピッタリの
「シンプルな施策」に取り組むことが、最良の策となるでしょう。

そして当社が出した結論!

当社が出した結論は、「若手社員に向けたシステムによる」
新たな能力開発への、取り組みをしよう!

という想いに至りました。

新入社員や入社歴の浅い社員に対して、「社会人基礎力の強化」が
従業員の成長・定着において、最高の効果があると判断したのです。

当社では、新たな能力開発の手法である「スキルマネジメント」を活用して
若手社員のスキル開発に取り組みました。

その結果、次にご紹介するような成果が見られたのです!

CASE1:お客様満足度がアップ

遅刻をくり返す、 納期を守らないなどのあり得ない行為が原因でクレームが発生していた

➡社員に規律のある行動を徹底させることにより、
お客様満足度調査のスコアが平均85点以上に アップ!

さらに、
・サービス全体のバラつきが少なくなり、標準偏差も小さくなる、
・お客様に対する「サービスの品質」も安定的に担保できるようになった。

CASE2:CCNA の取得率95%達成

テクニカルスキルが向上していない(=単金を上げられない)のに
「社員の定着のため」に、給与を上げていた。


➡「シスコ技術者認定資格CCNA」の取得率が「95%以上」になった!

※ CCNA:シスコシステムズが主催する、世界水準の認定制度:
ネットワークエンジニアの登竜門の資格。

・上級資格の取得率や、社会人基礎力も、向上
・社員1人当たりの単金が上がり、業績もアップ

CASE3:離職率が10%以下に改善

周囲とのコミュニケーションが取れず、“いづらさ”を感じて 休職・離職する社員がいた。

➡「社会人基礎力」を向上させたことにより、顧客との良好な関係性が育まれ
プロジェクト業務の進捗率も、上がった。

社員が自信を持てるようになり、自社への貢献度も高まった結果
・同業種内での従業員エンゲージメントはNo.1
・離職率、10%以下に減少

上のように、能力開発に取り組んだ結果、社員の資格取得率や技術スキルが向上したのです!
図3のように、売上と粗利の上昇に結びつき

結果、社員の定着率も高まることが、実証されました。

本記事の内容はこちらの書籍をもとに作成しています

従業員エンゲージメントを仕組み化する スキルマネジメント:中塚敏明著

社会人基礎力って、どう高めるの?

会社のため、新人の能力を育成するために
やれる事は、全部やってきた結果

「どんな新人でも、能力を伸ばせるようなシステムが必要
新人は社会人基礎力を、まずアップさせるべき」

という結果に至りました。
ところで、「社会人基礎力」って一体どうすればアップできるのでしょうか?

新人育成や、能力開発についての詳しいお話は、スキルティのセミナーなどを
ぜひ、活用してくださいね!

スキルティのセミナー
https://skillty.jp/seminar

しかし、自分で自分を改革していくことも、ある程度はできますよ。
そして、自分から「もっと自分のレベルを上げていこう!」と挑戦していく事も
とっても大切だと思うのです。

自分をもっと高めたい方には、まず客観的に自分をみて
「あらためて己を知る」
という事を、実践してみてはどうでしょうか?

自己分析をして、自分の長所×短所を知る!

自分の能力を開発する前に、まず「自分の得意ジャンル、不得意ジャンル」を
ハッキリと、書きだしてみて下さい。

自分の長所が分からなければ、他人に上手く自分を使ってもらう事も
ムズカシイかもしれません。

得意分野が分かれば、上司へのアピールもスムーズに出来そうですよね。

人材を育成するサイドの方は、社員の得意ジャンル、不得意ジャンルを
あらためて一覧にしてみましょう。

才能の長所を伸ばしてあげれば、本人のモチベーションもアップしますよね。

また同時に、「本人が希望する希望や夢」も聞いておいたほうがいいと思います。
人間には得意な事と、好きな事が違う場合もあるからです

「得意そうだから」と、お願いした仕事が
「本人からすれば、ものすごく嫌な仕事だった」というパターンもあるからです。

好きな仕事と、得意な仕事は、別物

「好きな仕事と、得意な仕事」って
実は、違ったりしませんか?

それを分かっていないと、本人からすれば
「上手くこなせるけど、全然好きじゃない仕事を押し付けられた」という気持ちが
発生してしまうかもしれません。

また、人は変わっていく生き物なので
「過去に得意だった事が、今は変わってしまった」という事も、あるかもしれませんよね。

数年おきに、今の自分の状況を、しっかりと判断しておくのが
ベストだと思います。
人材育成サイドの方は、「過去よりも今、従業員のリアルな状況」を把握しておきましょう。

例えば、私は絵を書くのが好きなのですが
数年描いていないと「あれ、下手になってない?」

と、自分に驚く事があります。


またその逆で、しばらく定期的に描いていたら、ある日
「あれ? 前より急に上手くなった気がする」
と、自分にビックリする事がありました。

努力しているつもりはなくても、自分では日常にこなしていた事が
驚くほど、力になっていたと気付く時もあったのです。

ですが、そういった変化は日々の積み重ね
自分では、気づきにくい時もあるのですよね。

己の微妙な変化は、近くにいる他人の方が、より分かっている時もありますよ。
「自分を客観的に、なかなか判断できない」と思ったら

思い切って、他人にアドバイスしてもらうのも、一つの手だと思いました!

社会人基礎力は、伸ばせる!

新人が絶対足りないスキルの一つに、「社会人基礎力」があります。

これは「育ってきた家の教育方針」によって
備わっている人と、備わっていない人がいますよね。

また、バイトなどを学生時代にたくさん経験して
社会人の基礎力を、仕事の経験からナチュラルに身につけた人もいるでしょう。

バイト経験がある新人と、ゼロの新人では、これまた雲泥の差だと思います。
基本的に「社会人基礎力」は、忘れない限り

一度スキルを学び、身につければ、無くなっていくモノではありません。
しっかり身につけていきましょう!

そして、身につけた後でも
この世界は「常識が変わっていく」事が、たまにありますから

変換された常識を、毎年毎年アップデートしていく作業が
必要となりそうです。

特にここ数年は、コロナという大きな波に飲まれて
常識やルール自体が、大きく変換していきました。

平成まで重んじられていた飲み会のルールや、新人歓迎会など
一斉に無くなったりしましたね。
そもそも居酒屋が倒産したり、世界がリモート主義になったり

経済を建て直しつつある今も、その余韻は強く感じられます。

世界がどう変化していくのか
経済の状況も、リアルに判断しつつ
一人一人の能力を、しっかりと開発していきましょう!

いかがでしたでしょうか?

次回の特集は、「スキル開発」が新人に及ぼす、影響力の強さについて!著書スキルマネジメントPart.12でスキルマネジメントの大切さ、お話ししますね!

よくある質問(FAQ)

Q. スキルマネジメントを導入する前に、まず何をすればよいですか?

A. 最初のステップは自社の現状を正確に把握することです。エンゲージメント・サーベイなどを活用して組織の課題を可視化し、その課題に対して適切な施策を設計することが、遠回りに見えて最も確実な方法です。課題の把握なしに外部コンサルや研修を導入しても、組織が目指すゴールには辿り着きにくいとされています。

Q. 社会人基礎力はどのように高めればよいですか?

A. まず自己分析で自分の得意・不得意を書き出すことが出発点です。自分では気づきにくい変化は周囲からのフィードバックで補うことも有効です。また、社会人基礎力は一度身につければ失われにくいスキルですが、社会の常識やルールは変化するため、定期的なアップデートが必要です。

Q. スキルマネジメントで具体的にどのような成果が期待できますか?

A. 本記事で紹介した事例では、顧客満足度スコアの平均85点以上への向上・CCNA取得率95%達成・離職率10%以下への改善という3つの成果が報告されています。いずれも若手社員の社会人基礎力強化を起点とした取り組みによるものです。

Q. 好きな仕事と得意な仕事が違う場合、人材育成はどう進めるべきですか?

A. 得意分野だけでなく本人の希望や目標も合わせて把握することが重要です。得意だからといって本人が望まない業務を割り当て続けると、モチベーション低下や離職につながるリスクがあります。数年ごとに従業員の現状を改めて確認し、リアルな状況をもとに育成計画を見直すことが推奨されています。

あわせて読みたい: スキルマネジメントの具体的な機能や導入の流れについてはskilltyのサービス紹介をご覧ください。また、実際に能力開発システムを活用した企業の取り組みは導入事例でも詳しく紹介しています。

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