従業員エンゲージメントとは?基本と3つの報酬の概要
「従業員エンゲージメント」とは、会社と従業員の間に築かれる信頼関係の強さを示す概念です。単なる「仕事への満足度」とは異なり、従業員が会社の目標を自分ごととして捉え、自発的に貢献しようとする意欲の度合いを指します。エンゲージメントが高まると、モチベーションの向上・離職率の低下・業績への好影響といった効果が期待されます。
エンゲージメントを高める報酬には大きく3種類あり、それぞれ従業員の異なる動機に働きかけます。下表で違いを整理しておきましょう。
| 報酬の種類 | 具体例 | 主な効果 |
|---|---|---|
| 感情報酬 | 表彰・称賛・上司からの承認 | やる気・ワクワク感の向上 |
| 地位報酬 | 昇進・役職付与・責任範囲の拡大 | 自己成長感・特別扱い感の醸成 |
| 金銭報酬 | 給与・ボーナス・臨時報奨金 | 目標達成への情熱・生活安定感 |
従業員は会社にとって、いわば「事業」そのものです。
従業員側が「充実感を持って」働いていれば「エンゲージメント」が上がります。
「従業員のエンゲージメント」とは、「会社と従業員の間の信頼度の高さ」を指す言葉。
「Engagement」という英単語には、「約束、契約」という意味がありました。
婚約指輪をカタカナ語では「エンゲージリング」と言いますよね。エンゲージリングを送る風習は、6,000年以上前の古代エジプトで生まれた儀式に由来しています。
古代エジプトでは婚約の証として「永遠に途切れない、夫婦の絆」を表すため、麻で編んだ輪を作り、永遠の愛を誓いました。
つまり、会社から従業員へと贈られるエンゲージメントは、さながら「信頼」という名の指輪でしょう。
従業員とのエンゲージメントがあれば、不安がなくなり、モチベーションもアップさせられるかもしれません。
それでは今回のテーマ、「従業員エンゲージメントの高い企業の特徴」へと参りましょう。

従業員エンゲージメントを仕組み化する スキルマネジメント:中塚敏明著

モチベーションを上げるには、社内表彰をせよ!
「私はこの会社で必要とされている」と感じて働けることは、すごく重要です。
実際に、「社内での表彰のある会社は、従業員エンゲージメントが高い」というアンケート結果を
見てみましょう。例えば、A社では
・年2回の全社表彰式
・月1回の部門表彰式
を行っています。
表彰対象となっているのは、「会社に業績を残した人」だそうです。
A社が大切にしていたのは「金銭報酬」だけでなく、社員のモチベーションアップのための「感情報酬」もでした。
第1のエンゲージメント「感情報酬」
では、「感情報酬」とは、なんでしょう?
感情報酬とは、「ワクワク感」や「やる気を引き出される」など、「気持ちが高まる報酬」のことを言います。
表彰式では、全員からパチパチと賞賛の拍手を浴びるため、やる気や感動を奮い立てられる人は多いですよね。
感情報酬は「仕事による報酬」においては「第3の報酬」と呼ばれています。
具体的には、昇給やボーナスではなく、「上司が部下を褒める」「才能を褒める」などを指します。
実は「従業員エンゲージメントの高い企業」には、「感情報酬を大切にしている会社」が多く存在しています。
社員が喜ぶと「モチベーションアップにも繋がる」ため、感情報酬は積極的に大切にしましょう。
第2のエンゲージメント「地位報酬」

「地位報酬」は、「社内での立場や役職が昇進すること」です。
例えば、「係長⇒課長⇒部長」のように出世することです。
また、出世して地位が上がることで「給料がアップする会社」も多いですよね。
地位報酬で得られる気持ちの具体例には、「営業で名刺を出した際に特別扱いしてもらえる」や
「部下が増える」などの「地位向上による特別扱い感」が挙げられます。
本当に優秀な人材には、「定期的な地位報酬の機会」を与えてあげられると良いでしょう。
第3のエンゲージメント「金銭報酬」

「金銭報酬」は、そのものズバリ「給与」を指しています。
おそらく、「会社に入って最初に与えられる報酬」は、「金銭報酬(=給与)」ですよね。
例え感情報酬や地位報酬を受けられなくとも、「これだけの業績を上げれば、給料がアップする」「ここまで残業すれば、ボーナスに反映される」などの目標があれば、「情熱を持って仕事に取り組める」という人は多いでしょう。
ちなみに、各従業員の日々の努力を認め、何かの折に「臨時ボーナスを出す」などしている会社も「従業員エンゲージメントの高い企業」に含まれていました。
エンゲージメントが高い=勤続年数が長い
従業員のエンゲージメントが高ければ、モチベーションはアップします。
そのため、「会社への貢献意欲」も自然と高まります。
なぜなら、「会社の業績をアップさせたい!」という思いが強まることで
「従業員の仕事への意欲」も高まるから。
企業アンケートの結果によると、従業員のエンゲージメントが高い会社は、従業員の「会社への信頼度」も高い傾向にありました。
また、「従業員エンゲージメントの高い企業」では、他の企業よりも
「勤続年数が長い従業員」が多いという傾向も見られました。
「勤続年数が長い人が多い」ということは、その企業は
「従業員にとって働きやすい環境が整っている」のかもしれませんね。
従業員アンケートを実施

定期的なアンケートの実施は大切です。
「現場での不平不満」や「現場で生まれたアイディア」など、「アンケートを介さなければ見えてこないこと」も数多くあります。
つまり、「アンケートは貴重な現場の声」というわけです。
現場から挙げられた「仕事の不満」が管理職へとフィードバックできれば良いですよね。
アンケートから見えた現場の声を参考に、「居心地の良い環境へのシフト」や「制度設計の見直し」などを進めていきましょう。
事実、「定期的なアンケートを実施している会社」も「従業員エンゲージメントの高い企業」として多く存在していました。
従業員エンゲージメントの高い企業の特徴

おそらく、「従業員が企業に求める内容」は「企業ごとに異なる」でしょう。
しかし、大切なことは下記の3つです。
1.定期的な表彰などで、感情報酬を得られる機会を与える
2.1に加え、地位報酬や金銭報酬もきちんと担保する
3.定期的にアンケートを実施し、従業員の声をキャッチアップする
これらができていれば、従業員エンゲージメントを高めることは難しくないでしょう。
従業員エンゲージメントを高めて、信頼度を上げることで「業績を上げられる会社」になれれば素敵ですね!
よくある質問(FAQ)
Q. 従業員エンゲージメントと従業員満足度の違いは何ですか?
従業員満足度は「現状の待遇や環境に満足しているか」を測る指標です。一方、従業員エンゲージメントは満足度に加えて「会社のために自発的に貢献したいか」という意欲の強さまで含みます。満足度が高くても貢献意欲が低いケースもあるため、両方を把握することが重要です。
Q. 感情報酬を高めるために、すぐ実践できる施策はありますか?
まずは上司が部下の成果を具体的に言葉で称賛する習慣から始めるのが効果的です。大規模な表彰制度がなくても、朝礼や1on1ミーティングで「〇〇の対応が助かった」と伝えるだけでも感情報酬として機能します。月次・年次の表彰制度はその延長線上に設計すると自然に定着します。
Q. 従業員アンケートはどのくらいの頻度で実施するのが適切ですか?
一般的には四半期に1回程度の定期実施が推奨されています。頻度が低すぎると現場の変化を見逃しやすく、高すぎると回答疲れが生じます。重要なのは実施後に結果をフィードバックし、改善アクションを示すことで、従業員が「声が届いている」と実感できる仕組みを作ることです。
Q. エンゲージメントの向上は離職率の低下につながりますか?
はい、記事内のアンケート結果でも示されているように、エンゲージメントが高い企業では勤続年数が長い従業員が多い傾向があります。会社への信頼度が高まることで「この会社で長く働きたい」という意識が生まれ、結果として離職率の低下や採用コストの削減にもつながります。
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