Z世代マネジメントとは?基本の定義と背景

「Z世代マネジメント」とは、1990年代中頃〜2010年代初頭に生まれたZ世代(ジェネレーションZ)の価値観・行動特性を理解したうえで、彼らの内発的動機を引き出し、成長を支援するマネジメント手法の総称です。デジタルネイティブとして育ったZ世代は情報収集・発信能力が高く、仕事に意味・やりがい・社会貢献を強く求める傾向があります。そのため、従来の画一的な指導スタイルや外発的報酬だけに頼るアプローチでは、モチベーション維持や定着に課題が生じやすくなっています。

下表は、マネジメント上で意識したい世代間の主な違いをまとめたものです。既存の指導スタイルを見直す際の参考としてご活用ください。

観点 従来型アプローチ Z世代に有効なアプローチ
動機づけ 給与・昇進などの外発的報酬中心 仕事の意義・成長実感など内発的動機を重視
コミュニケーション 上意下達・一方向の指示 双方向の対話・意見を聴く姿勢
フィードバック 定期的な評価面談 タイムリーな称賛と丁寧な個別指導
キャリア支援 長期的な会社都合の配置 個人の成長・将来像を見据えた支援

20240301621990年代後半に誕生したZ世代(ジェネレーションZ)が2020年代以降になり徐々に社会参加する時代となった今、世代の違いによる認識齟齬が徐々にジェネレーションギャップを生みだしつつあります。

実際に、Z世代の価値観が理解できずにマネジメントに苦戦している方は一定数おり、企業の新卒教育はアップデートが必要な時期にきていると言えるでしょう。

そこで本記事では、Z世代マネジメントについて解説していきます。

Z世代の特徴の理解

Z世代の特徴の理解

まずは、Z世代の特徴について理解しましょう。
Z世代(ジェネレーションZ)と呼ばれる世代は、1990年代中頃から2010年代初頭に生まれた人々を指す世代の名称です。ミレニアル世代(ジェネレーションY)の次に来る世代であるため、アルファベットの次の文字である「Z」を用いて命名されています。

世代の年齢層としては、2024年現在40代~60歳前後の世代がX世代、20代後半~40代前半の世代がY世代、そして13歳~28歳の範囲にいる層がZ世代と呼ばれる人たちです。Z世代の人材は、これからの10年間で我々の企業に新卒として入社してくる主力となります。

企業におけるポジションとしては、仕事の文脈では、彼らは「若手」と見なされる世代で、現在の労働市場に新しく参入しているか、キャリアを築き始めている段階にあります。20代後半であれば、すでに組織の主力となり欠かすことのできない戦力となっている人もいるはずです。

よく企業のマネジメント層が口癖のように「Z世代は何を考えているか分からない」と言いますが、これから主力となるこの世代に対する理解がなければ組織やチームの円滑な運営は難しくなると言えるでしょう。

この世代の特筆すべき点は、デジタル技術に非常に精通していることです。生まれた時からインターネットが存在し、さらには物心ついた頃にはスマホやSNSが存在していた世代であるため、デジタルリテラシーが高く、情報収集発信能力があり、自分の意思も強い特徴があるとも言われています。そのため、Z世代の人材は我々が考えているよりもずっと大きな可能性を秘めた企業にとって大切な存在、まさに今後の会社の行方を左右する重要な戦力になるはずです。

しかし、彼らの能力が発揮されていないとすると、それはマネジメント層、経営層の指導教育不足がひとつの原因とも言えます。

20代の成長環境と業績との関係性

2022年8月7日の日経新聞に、企業の業績と組織の成長環境に関する興味深い記事がありましたのでご紹介します。その内容は、2017年〜2021年の5年間の売上高の伸びを、以下の8項目のスコアとの連動性で検証しています。

□ 待遇面の満足度
□ 社員の士気
□ 風通しのよさ
□ 社員の相互尊重
□ 20代の成長環境
□ 人材の長期育成
□ 法令順守意識
□ 人事評価の適正感

20代の成長環境と業績との関係性

上記8項目のスコアのうち、最も業績と関係性があった項目は「人材の長期育成」と「20代の成長環境」でした。さらに、株価に関しては「20代の成長環境」が一番でした。このことから、生産性を向上させるには20代の成長環境の構築が重要だと考えられます。

つまり、日本での競争力を高めて相対的に企業価値を上げるためにも、Z世代の成長環境を整えていくことは重要なキーと言えるかもしれません。

では、そんなZ世代はどんな職場環境を求めているのでしょうか。もう少しミクロな視点で解説をしていきます。

Z世代が求めている職場環境

Z世代が求めている職場環境

リクルートマネジメントソリューションズの調査によると、Z世代は「相互尊重」と「協力」を重視した職場を理想としていることがわかっています。彼らにとって職場は、互いを尊重し、助け合うことが重要なコミュニティであるべきだと考えられているのです。

次に理想の上司像についてですが、Z世代は一人ひとりに対して丁寧に指導し、良い業績を称賛し、従業員の意見や考え方に耳を傾ける上司を望んでいます。少し耳の痛い話ではありますが、ある調査では「上司と過ごす時間は、従業員にとって1日の中で最悪の時間である」との結果も出ているため、真摯にこの期待に応えていかなけれなばらない時代だと言えるでしょう。

このことから、Z世代は職場において一人ひとりを大切にする環境を求めていることがわかります。しかし、ほとんどのマネージャーの皆様はプレイングマネージャーであるため、丁寧に指導することが難しい状況であり、これは非常に悩ましい問題となっています。

仕事をする上で重視すること

仕事をする上で重視すること

続いては、Z世代が仕事をする上で何を重視するのかについてお話しします。

最近の調査によると、Z世代は仕事における内発的な動機づけを非常に重要視していることがわかりました。具体的には、彼らは人や社会に役立つ仕事、感謝される貢献、個人的な成長、そして仕事の意味や意義を強く感じるやりがいを重視し、さらに、仲間と支え合い、一体感を持って働くことにも価値を置いています。

これに対して、金銭や競争、「No.1になる」といった外発的な動機づけは、内発的動機よりは低いようです。彼らは、自分の仕事に深い意味を見出し、社会貢献や個人的な成長を求める傾向が強いことがわかっています。

このことからZ世代は、仕事において内発的な動機づけに関わる要素を特に重視していくことが大切であると言えます。ただ、偏った要素を重視して、そのためだけに施策を進めることは、逆に他の要素をないがしろにしてしまうため多様性の観点で問題が発生します。外発的動機、環境要因とも言い、社員の不満足を招く要素にもなるため注意が必要です。

そのため、リソースが許す限り外発的動機も整えて、より内発的動機を育む環境や施策構築への取り組みが重要となります。

Z世代の仕事における価値観の理解

Z世代の仕事における価値観の理解

ここで、弊社がZ世代の未経験者を多く採用していく中で、高離職に直面した問題を共有したいと思います。

弊社では、ITエンジニアを輩出するビジョンのもと、研修を強化するアプローチで社員のキャリア支援を進めていました。ただ、1年も経たないうちに、「仕事が上手いかず、モチベーションを維持できない」「上司が忙しそうにしているため相談しにくい」「仕事の成果が上がらない中で将来のキャリアも不透明で不安」といった多くの声が上がってきました。

働き方改革により労働条件や環境についての不満は減っていましたが、このような「仕事と将来への不安」が多く上がるようになったのです。一般的に見てもキャリアへの不安の声が多く聞かれることから、現代の若者は、不満はないが不安が大きい状況であると言えるかもしれません。

入社後1年での悩みの壁

入社後1年での悩みの壁

最近の調査によると、Z世代の多くの新入社員は、想像以上に仕事ができない自分にショックを受け、自信を失ってしまうことがあるようです。これは、学生時代の成功体験や期待と、実際の職場とのギャップに起因することが多いと想定されており、期待値を上げてしまう会社側の責任でもあるかもしれません。

次に、「周りにどう思われているか」という不安も大きな問題です。彼らは自分を出すことを躊躇し、その結果、本来の能力を発揮できない傾向があります。また、与えられた仕事に意味ややりがいを感じられないという悩みもあるようです。

特にZ世代は先ほどの動機の要素として、仕事の意味や目的を重視する傾向があるため、単調な作業や自分の価値観と合わない仕事に対してモチベーションを維持するのが難しいのです。これらの課題は、学習の壁や自律の壁として現れることが多いため、新入社員がこれらの壁を乗り越え、自信を持って職場で活躍できるようサポートすることが大切になってきます。

まとめ

まとめ

1990年代後半に誕生したZ世代(ジェネレーションZ)が2020年代以降になり次々に社会参加する時代となりました。デジタル技術に非常に精通しているZ世代の人材は大きな可能性を秘めた、企業にとって大切な存在、まさに今後の会社の行方を左右する重要な戦力になると考えられます。

しかし、彼らの能力が発揮されていないとすると、それはマネジメント層、経営層の指導教育不足がひとつの原因とも言えます。今後、リソースが許す限り外発的動機を整えながら、より内発的動機を育む環境や施策構築への取り組みが重要だと言えるでしょう。

Z世代と呼ばれる若手社員に対しては、特徴や彼らの価値観を理解したうえで、成長につながるような丁寧な指導を行うとともに、自信を持って職場で活躍できるようサポートすることが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q1. Z世代の社員がすぐに辞めてしまう主な原因は何ですか?

仕事への意味・やりがいが感じられないこと、将来のキャリアへの不安、そして「上司に相談しにくい」と感じる職場環境が主な要因として挙げられます。給与や労働条件といった外発的な不満が解消されていても、内発的動機が満たされないと離職につながりやすい傾向があります。

Q2. プレイングマネージャーでも丁寧な個別指導は実現できますか?

業務負荷が高いプレイングマネージャーにとって、全員に十分な時間を割くことは難しいのが実情です。まずは1on1の頻度や質を見直し、短時間でも「意見を聴く・称賛する」習慣を取り入れることが現実的な第一歩です。スキル管理ツールなどを活用して育成状況を可視化することも、負担軽減につながります。

Q3. Z世代は金銭的な報酬をまったく重視しないのですか?

そうではありません。給与などの外発的動機は「不満を防ぐ要素」として依然重要です。ただ、内発的動機(仕事の意義・成長・貢献感)と比べると優先順位が相対的に低い傾向があるということです。外発的動機を整えたうえで、内発的動機を育む環境づくりを進めることがバランスのよいアプローチです。

Q4. 20代の成長環境を整えると、業績にも影響しますか?

日経新聞が紹介した調査(2017〜2021年の5年間)によると、企業の売上高の伸びと最も関係性が高かった項目のひとつが「20代の成長環境」であり、株価との相関でも同項目がトップでした。Z世代の成長環境を整えることは、組織全体の競争力向上にも直結する可能性があります。

Z世代マネジメントの実践には、社員一人ひとりのスキルや成長状況を把握する仕組みが欠かせません。skilltyのAIスキルマネジメントサービスでは、育成状況の可視化とマネージャーの負担軽減を同時に支援しています。また、実際にどのような成果が生まれているかは導入事例でご確認いただけます。

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