217項目を4つに絞ったら回り始めた。営業・事務・配送・工場の多拠点組織が、週報とスキルチェックを1本にして人事評価の入口へ
九州7拠点で福祉用具のレンタル・販売・住宅改修を手がける約55名の会社。人事評価制度は未整備で、週報も定着していませんでした。2024年10月、営業(居宅・施設・兼務)・事務・配送・工場の5職種×3等級、13シート217項目のスキルマップで全社運用を開始。導入7ヶ月で社員の6割が直近1ヶ月以内に更新する一方、達成率の中央値は16%と伸び悩み。2年目は項目を4つに厳選し、2週間×1項目、「できる」ではなく「している」事例をPDCAで書く運用に転換。人事評価制度の設計支援を加えて契約を更新し、週報を評価の入口にする段階へ進んでいます。
何が、どう変わったか
導入後の変化 ― 「量より深さ」に切り替えて、週次の運用が定着した
D社は九州に7拠点を持つ福祉用具レンタルの会社です。2024年10月、営業・事務・配送・工場の全社員でskilltyの運用を始めました。導入7ヶ月の時点で、直近1ヶ月以内にスキルマップを更新した社員は約6割、直近1週間では51%。営業リーダー層の7割超が「影響力」の項目に着手し、「電話対応」「身だしなみ」「パソコン操作」では100%達成者が出ていました。
一方で、達成率の中央値は16%。1シート40〜68項目というフルマップは、外回りの営業やマネージャー層には重すぎました。そこで2年目の2025年10月、D社は項目を4つに厳選する「シーズン2」に踏み切ります。2週間に1項目、「できる」ではなく「している」という現在進行形の事例をPDCAで書く。金曜17時の自動リマインドと金曜19時締切。この転換で、週報とスキルチェックが「毎週の習慣」として回り始め、2026年には人事評価制度の設計支援を加えて契約を更新しました。
▲ 拠点に散らばる社員のコンディションと進捗を、本部が1画面で見る(提案資料より)
背景 ― 評価制度はこれから。まず「報告の仕組み」を作る
D社には人事評価制度がまだなく、週報の習慣もありませんでした。営業は居宅(在宅)・施設・兼務に分かれ、配送と工場(メンテナンス・倉庫)を自社で持つ。訪問件数や提案内容の管理は属人化し、過去の成功事例や提案資料は個人が持ち、契約や請求の書類は物理的にもデータ的にも散在していました。
導入の狙いは、いきなり評価を作ることではなく、「習得したスキルは、将来導入が予定されている人事評価制度と連携する」前提で、まず全社員が週に一度、コンディションと週報とスキルチェックを本部に届ける仕組みを作ること。「忙しいときには最低でもコンディション報告だけは会社にお願いします」というところから始めました。
選定の決め手 ― 多職種を1枚の地図に、スマホで週15分
スキルマップは5職種×3等級の13シート、45スキル217項目。土台は社会人基礎力12要素ですが、専門スキルはD社の言葉で書かれています。営業なら「ケアマネ、利用者からの訴え、ニーズを引き出す」「毎月必ず担当のケアマネージャー全員と対話している」「月に1度は商品紹介の場を作っている」。共通では「電話は3コール以内、保留は20秒以上待たせない」「喫煙者は面談前の15分はタバコを吸わない」「清潔なスリッパを持参する」。等級ごとの習得目標は、S「専門スキルとその基盤となる社会人基礎力」、L「リーダーシップとチームマネジメント」、M「組織マネジメント」です。
運用ルールはシンプルにしました。コンディション→週報→スキルチェックの順で15分以内、次週の目標を「おきにいり」登録、本部は月1回まとめて確認。デフォルトマップの軽微なカスタマイズで構築できたことも、規模に合った判断でした。
▲ 週1回の「できたチェック」が積み上がる。D社では2年目から「コメントを書いてからチェック」を必須に(提案資料より)
試行錯誤 ― 217項目のフルマップから、2週間×1項目へ
1年目のデータは正直でした。全体の平均達成率は25.6%、中央値16%。マネージャー層の中央値は6.5%。年内で更新が止まった社員も4分の1いました。「特になし」「まあまあです」で終わる週報、コメントなしのチェック、月末の駆け込みチェックも出ていました。
D社とスキルティが選んだのは、「もっと頑張らせる」ではなく「減らす」でした。2025年9月、全217項目に〈基準〉と、営業/事務/運用(配送・工場)の職種別の模範記述例、上司向けの評価ポイントを付けました。10月からのシーズン2では、第1弾として「完了報告時に次の仕事の話をする」「ハイパフォーマーの進め方を取り入れる」「困っている人に率先して教える」「他人の協力を得る」の4項目だけを、2週間ずつ実施。週報は「今週の目標/実行/チェック/来週の行動」のPDCAテンプレートを必須にし、「コメント未入力のままチェックを入れることは不可」「毎週1個〜最大3個まで」と明文化しました。締切も月曜から金曜19時に変え、金曜17時に自動でリマインドが届くようにしています。
12月からの第2弾では、eラーニングと連動した「デイリープランニング」「現状把握と要因分析」「5分間のジャーナリング」「大きな石(優先順位)」を加え、学ぶ→実践する→書くのサイクルにしました。1年目のシートは振り返り用として残してあります。
これから ― 週報を人事評価の入口に
2026年、D社は契約を更新し、人事評価制度の設計支援(評価シート作成まで)を含むプランに拡張しました。「第1期の運用状況を見て評価制度への反映を検討する」という導入時の約束が、2年間の運用実績を経て次の段階に進んでいます。月1回30分の運用ミーティングで、項目の入れ替えと評価への接続を続けています。
多職種・多拠点の会社が全員で同じ土台を持つには、最初から完璧な地図より、毎週確実に回る小さなサイクルの方が強い。D社の2年間は、その一つの実証です。
選定のポイントと、決め手
お客様の言葉
「できる」という可能性や能力ではなく、「している」という現在進行形の具体的事例をあげて明記すること。目指すべき社員の実名をあげ、自身との違いを3点あげ、今後どのような手法で実践していくかを具体的に書く。
— シーズン2の運用基準より
従来2桁あったスキル項目数を4項目に厳選しています。量より、基準に沿った深い記述を重視してください。小さな積み重ねが大きな改善につながりますので、今期も一緒に確実に進めていきましょう。
— 全社員向け週次リマインドより
導入のタイムライン
- 2024.08試用期間(ログイン確認、週報とスキルチェックのお試し)
- 2024.10本運用開始。5職種×3等級、13シート217項目。週報は月曜締め
- 2025.04導入7ヶ月:直近1ヶ月の更新率60%、達成率中央値16%。項目過多が課題に
- 2025.09全217項目に基準・職種別記述例・上司の評価ポイントを付与
- 2025.10シーズン2開始:4項目に厳選、2週間×1項目、金曜締め・自動リマインド、PDCAテンプレ必須
- 2025.12第2弾5項目(eラーニング連動:デイリープランニング、ジャーナリング、「大きな石」など)
- 2026.06契約更新。人事評価制度設計支援(評価シート作成まで)を含むプランへ拡張
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