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ITソリューション会社 C社 様東京都・IT/DXソリューション(SI・製造業向け)・約130名

「ランク分けではなく育成」。118名分の実データで項目数155→50、評価者負担7.1名→2.4名へ。社会人基礎力を人事評価の基盤にした制度改定

3秒でわかる要約

職種別職能資格制度(6職種×7等級)を持つ約130名のIT企業。経済産業省の「社会人基礎力」を人事評価の基盤に据える構想でskilltyを導入し、初年度は118名を対象にグレード別70〜155項目のアクションリストを運用。自己チェック提出率100%、コメント8,933件という実データが集まった一方、上位等級の項目過多と管理職の評価負担(1人7.1名)が明らかに。2年目は「ランク分けが目的ではなく育成が目的」に立ち返り、対象を若手58名に絞り、項目を最大155→50、評価者負担を2.4名へ。3段階のスキルシートを6回改訂して作り込みました。

155→50上位等級のアクション項目を3分の1に。管理職はシートを廃止初年度は等級別70/95/130/145/155項目。データを見て「ボリュームが多い」と判断し、S3〜SP5を50項目、M5・M6は0に
7.1名→2.4名評価者1人あたりの被評価者数(M5)M6も6.6名→3.5名。リーダー・チーフ職を新設して評価を階層で分担。「プレイングマネージャーなら3〜4名が現実的」
100%初年度の自己チェック提出率(118名)。評価者チェック94%自己チェック8,687件・コメント8,933件、うち上司との往復対話1,998件。全社の自己評点68.7%/評価者点61.8%という"現在地"が数字で見えた
ITソリューション会社 C社 様
業種
IT/DXソリューション(SI・受託開発、製造業向けソリューション、コンサルティング、プロダクト開発)
規模
約130名。職種別職能資格制度(6職種×7等級 J1〜M6)
求める人材像
「Self-driven/Knowledgeable/Adaptable/Team-oriented/Ambitious」と、人との関わりの基本「敬意・尊重・ありがとう」
導入範囲
初年度:全等級118名(スキルマップ+人事評価連動)→ 2年目:若手J1・J2の58名に集中
導入時期
2023年12月申込 → 2024年4月運用開始 → 2025年2月制度改定 → 2025年5月 2年目運用

何が、どう変わったか

1
年1回の査定で終わっていた
導入前従来の業務遂行能力評価は年1回の査定時期に結果を出すだけ。管理職による属人的な教育と単発の研修で、社員の能力底上げが仕組みになっていなかった。
導入後社会人基礎力12要素+専門・業務遂行・マネジメントの4カテゴリを等級別に定義。週次の自己チェックと月次の上司チェックで「年間を通じて必要スキルが身につくPDCA」に。達成率は20/40/60/80%の閾値で5段階評価に自動換算。
2
項目が多すぎて負担に
導入前初年度はSP5で155項目、S3でも130項目。「一度に入力となると、自己評価、評価者ともに大きな負担」。期末の12〜1月にチェックが集中した。
導入後118名分の自己評点と評価者点を等級別・スキル別に集計し、社会人基礎力の対象をJ1・J2に限定。S3〜SP5は業務遂行中心の50項目、M5・M6はシート廃止。「毎月1回程度の1on1でフィードバック」を制度に明記。
3
評価者に負担が集中
導入前課長職が配下メンバーを全員見る運用で、M5は1人平均7.1名、M6は6.6名を評価。「業務効率化と人材育成に支障をきたす可能性」があった。
導入後リーダー・チーフ職を新設し、M6→M5、M5→SP5・S4、S4→S3・J2、S3→J1と階層で分担。1人あたり2.4〜3.5名に。評価者研修・リーダー研修とセットで抜擢。
業種:IT/DXソリューション / 規模:約130名 / 導入:2024年4月運用開始、2025年2月制度改定

導入後の変化 ― 1年分の実データが、制度を「絞る」根拠になった

C社は2024年4月、J1からM6まで118名を対象にskilltyの運用を始めました。初年度の結果は、自己チェック提出率100%、評価者チェック94%。自己チェック8,687件、コメント8,933件、そのうち上司との往復対話になったものが1,998件。全社の自己評点は68.7%、評価者点は61.8%でした。

この数字が、2年目の制度改定の根拠になりました。等級別に見ると、J1は自己78.9%/評価者72.4%と高い一方、SP5は自己70.2%に対して評価者49.1%と21ポイントの乖離。スキル別では「働きかけ力」「傾聴力」「規律性」が85%を超えるのに対し、「サービスマネジメント」「リスクマネジメント」「キャリア設計」は3割以下。どこが育っていて、どこに手を打つべきかが、印象ではなく数字で見えました。

改定の結論は「絞る」でした。上位等級のアクション項目を最大155から50へ、管理職はシートを廃止。評価者1人あたりの被評価者数はM5で7.1名から2.4名、M6で6.6名から3.5名に。社会人基礎力の対象は若手のJ1・J2の58名に集中させました。

管理職の時間の使い方:マネジメントに使える時間を取り戻す

▲ プレイングマネージャーの評価負担は「3〜4名が現実的」。項目と対象の絞り込みで、管理職の時間を現場拡大に戻す(提案資料より)

背景 ― 「年1回の査定」から「年間を通じたPDCA」へ

C社は2023年6月に職種別職能資格制度(6職種×7等級)を制定したばかりでした。求める人材像を5つの言葉で定義し、人との関わりの基本を「敬意・尊重・ありがとう」と置く、制度への意識が高い会社です。

課題は、その制度を日々の育成につなぐ仕組みでした。従来の業務遂行能力評価は「年1回の査定時期に評価結果を出す」もので、社員の成長はマネージャーの属人的な教育と単発の研修に頼っていた。そこで経営が選んだのが、経済産業省の「社会人基礎力」を全社員のスキルセットとして選定し、それを基盤に人事評価制度を改定するという構想でした。運用設計の文書には、こう書かれています。「スキルマネジメント制度導入の目的は、人材育成です。年1回の査定時期に評価結果を出すのではなく、年間を通じて必要スキルが身につくようPDCAを回します」。

選定の決め手 ― 既存の職能評価表を「壊さずに載せ替える」

C社には作ったばかりの職能評価表がありました。「ビジネス基本知識の習得」「顧客志向」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」といった旧評価表の着眼点を、skilltyの30スキル×5アクションに一つずつ対応付けて翻訳したのは、スキルティ側の作業です。制度を壊さずに載せ替えられること、そして同一アカウントでスキル習得の達成率がそのまま評価シートに反映されることが決め手になりました。

運用開始前、管理職に試行してもらい、書面でフィードバックを集めました。「あまりに根本的すぎて叱るような形になってしまいがちな部分が明確に記載されており、育成という点で役立つ」「本人の意識・能力改善のガイドとして、モチベーションに寄与するツールとして有用」。同時に「部下がいない人はマネジメント項目を実行できない」「『企業理念や歴史を理解している』は正直自分が『ん?』となった」という率直な指摘も出て、「予想評価」ルールの導入や項目文言の修正につながりました。

スキル習得の達成状況が評価シートに反映される

▲ 週次の自己チェックと月次の上司チェックの積み上げが、期末にそのまま評価シートに反映される(提案資料より)

活用の実態 ― 等級別70〜155項目、達成率を5段階に自動換算

初年度のスキルマップは4カテゴリ。社会人基礎力12要素、特殊能力(ITリテラシー・技術力・キャリア設計・情報セキュリティ・自社理解・プロジェクト理解)、業務遂行能力(顧客志向・顧客洞察力・サービスマネジメント)、マネジメント(指導力・影響力・チームビルディング・心理的安全性・リスクマネジメント・ステークホルダーマネジメントなど)。等級ごとにJ1 70項目からSP5 155項目まで、1スキル5アクションで定義しました。

判定は「できたか、できないか」の2択。達成率を20/40/60/80%の閾値で5段階に換算し、下位等級と同じ項目は上位ほど重みを下げる傾斜配点(1.0→0.6)を採用。J1・J2は月1回の1on1を必須にし、4〜9月で一巡する計画で、2月に評価を確定する年間サイクルを組みました。

試行錯誤 ― 期末に集中するチェック、乖離する自己評価

1年運用して見えたのは、3つの現実でした。1つ目は量。自己チェックの更新は12月に1,328件、1月に1,010件と期末に集中し、月次のPDCAは回りきっていなかった。2つ目は負担。課長職が配下メンバー全員を見る運用で、M5は1人あたり7.1名を評価していました。3つ目は乖離。SP5では自己評価と上司評価が21ポイント開き、上司チェックが1件も入っていない社員も7名いました。

改定の議論は「M5は現場拡大に注力できるよう負担を極力減らしたい」「社会人基礎力はJ1・J2だけに絞り、項目数を絞る」という方向で進み、2025年2月の管理職合宿の前に改定案がまとまりました。

3月から4月にかけては、若手向けのアクションリストを6回改訂しました。新卒1年目(45項目)は「業務の進捗を積極的に報告・相談している」「会社の文化やルールを積極的に学び、適応している」、2年目以降(60項目)は「ハイパフォーマーの仕事の進め方を学び行動に取り入れている」、J2(60項目)は「習得した業務のやり方を見直し、より効率的な方法を上司・先輩に提案している」と、同じ「主体性」でも段階ごとに難易度を上げる設計です。C社側からは「情報収集・分析・俯瞰力・仮説思考」「ゴールの明確化・バックキャスティング」を重視したいという要望が寄せられ、それが基準文に反映されました。

スキルマップ画面:週1のできたチェックが積み上がる

▲ 若手のスキルシートは「新卒1年目→2年目以降→J2」の3段階。同じスキルでも求める行動の難易度が上がる(提案資料より)

2年目 ― 若手58名に集中、上司の一言が回り始める

2025年5月、2年目の運用が始まりました。対象はJ1・J2の58名、評価者は16名。若手のコメントには「間に合わない可能性が発覚したタイミングで連絡をしないと、先方のスケジュールや今後の信頼関係に害が及ぶ」「反省会や情報共有の会議体が設定されていなかったので、自分で会議設定をした」といった具体的な振り返りが並び、上司からは「オーケーです。何事にも自分事としてとらえて周りを巻き込んで仕事をするように」「WEB会議でも自分が一番先に挨拶しよう」という一言が返っています。

「ランク分けが目的ではなく、育成が目的」。制度を作った会社が、1年分のデータを見て制度を絞り込む。C社の改定は、スキルマップを「作って終わり」にしないための一つの答えです。

選定のポイントと、決め手

Point 1社会人基礎力をそのまま評価軸にできるか
経産省の12要素を「ビジョン実現のために社員一人ひとりの能力を底上げするスキルセット」として選定。それを基盤に人事評価制度を改定できることが導入の主題だった。
Point 2既存の職能評価表を活かせるか
旧評価表の「ビジネス基本知識」「顧客志向」「コミュニケーション」「リーダーシップ」などの着眼点を、30スキル×5アクションに対応付けて翻訳。制度を壊さずに載せ替えた。
Point 3達成率が評価に反映されるか
同一アカウントでスキル習得の達成率を評価シートへ反映。「判定基準の不明瞭さによる被評価者の不満」を避けられること。

お客様の言葉

ランク分けすることが目的ではなく育成が目的で、社会人基礎力を全員が身に着けることが目的です。出来ていない人に気づきを与え、全体を底上げする。ランク分けは業績評価(MBO)で行います。

— 人事責任者

やるべき事柄しかないのですが、あまりに根本的すぎて叱るような形になってしまいがちな部分が明確に記載されており、育成という点で役立つと感じました。

— 管理職(運用検討時のフィードバック)

本人・評価者の性格や業務状況によって評価のブレは多少残るものの、本人の意識・能力改善のガイドとして、取り組みの結果をフィードバックすることでモチベーションに寄与するツールとして有用だと感じました。

— 管理職(運用検討時のフィードバック)

実行できる立場ではないから何もしないと、何も向上しません。実行できる立場になったと想定して、何をするかを記述させてもいいかと思います。

— 管理職(「部下がいない人のマネジメント項目」への意見)

導入のタイムライン

  1. 2023.06職種別職能資格制度(6職種×7等級)を制定
  2. 2023.12skillty申込。「社会人基礎力を基盤とした人事評価制度への改定」を構想
  3. 2024.02運用設計:等級別項目数・傾斜配点・5段階換算ルール。管理職からフィードバック収集
  4. 2024.04初年度運用開始(118名、等級別70〜155項目)。週次自己チェック+月次評価者チェック
  5. 2025.01〜021年分の評価データを集計。顧問契約で制度改定案を作成、管理職合宿
  6. 2025.03〜04アクションリストを6回改訂。新卒45項目/2年目以降60項目/J2 60項目の3シートを確定
  7. 2025.052年目運用開始(J1・J2の58名、評価者16名)。リーダー・チーフ職の抜擢開始

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